司法書士法人やなぎ総合法務事務所BLOG

2020年10月16日 金曜日

「印鑑」の必要性と今後について

最近、政府からの「必ずしも印鑑は必要ではない」との発言から、世間では印鑑について不要という声が盛り上がってきており、実際に口座開設時には必ず必要だった銀行でも必要ありませんとアナウンスするところも出てきています。
さらに新型コロナウイルスの影響により、在宅ワークにより働き方の変化や、印鑑を押す場である対面契約などの減少などにより、この「印鑑不要論」に追い風となっているようです。
そこで今回は、この「印鑑」を使用する目的や有効性などについて再確認の意味も含め、触れていきたいと思います。

目次
1、 印鑑の目的
2、 海外と日本の大きな違い
       ① 相手方の証明の違い
       ② 同じサインを書く事ができるのか?
3、 印鑑の代わりはこれからどうするのか
4、 立証性について
5、 まとめ

1、印鑑の目的
印鑑を利用する主な目的は「本人確認」の為といえます。
では、本人確認を行なう為にはなぜサインではなく押印なのでしょうか?
実際に欧米などではサインが一般的となっており、印鑑を使う文化は日本ならではと言えます。
2、海外と日本の大きな違い
実は日本と欧米の契約の違いの背景には、根本的な違いがあることを皆さまはご存知でしょうか?
「契約」を行う場合には本人と相手方がお互いに認めることで契約が成立します。
その契約の進め方に大きな違いがあります。
①  相手方の証明の違い
日本の場合には相手方お証明方法として「印鑑証明」を提出します。
印鑑証明の作成は各役所にて行います。
それに対し、欧米では公証人が「サイン証明」を提出し契約がスムーズに成立します。
そのため欧米での公証人の数は400万人もいると言われており、銀行や役所などの契約を行うであろう場には常駐している場合が多いようです。
しかし、現在の日本のいる公証人の数は500名程度とされており、欧米のようにサインで契約を管理する事は不可能と言わざるを得ません。
② 同じサインを書く事ができるのか?
欧米では幼いころから同じサインを書く練習を行う習慣があります。
これは書くたびにサインが変わらないようにするためのもので、サインが重要視されている欧米ならではとも言えます。
それに対し、日本では同じサインを書くことが根付いてはおらず、書くたびにきれいだったり、ゆがんでいたり様々だと思います。
3、印鑑の代わりはこれからどうするのか
印鑑が不要とされた場合、今後はどのように契約の認証が行われるのでしょうか?
その代わりになると言われているものとして、「電子印鑑」といわれるものがあります。
ウェブ上で契約書を作成、締結できるサービスを提供している会社も出てきています。これまでは、契約書を印刷して押印し、さらに返送してもらう必要がありましたが、この電子契約であればメールを送ってもらうだけで完了するとしています。
その仕組みはシステムに自動的に記録されるメールアドレスやIPアドレスなどの情報を電子印鑑として記録しておくことでハンコの代わりとするようです。

4、立証性

これまで紙媒体で行っていた契約をウェブ上で行っても大丈夫なのか?そういった声も少なくないと思います。

しかし、民訴法228条4項に「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」
とあります。
つまり、本人の押印があれば証拠にはなるけれど、それ以外の方法でも証拠になるということです。
この事から、上記でご紹介した電子印鑑のような契約書も充分、有効とされるということとなります。
まとめ
政府では押印に対する見解として、特段の定めがある場合を除き、契約時の押印は効力に影響しないとしており、「必要な要件ではない」と言い切っています。
今まで当たり前のように使ってきた印鑑が無くなっていくことを考えると少し寂しいような気もしますが、紛失のリスクや盗難や偽造のリスクなどから守られることを考えると、いい流れなのかもしれません。
しかし、契約書というものはとても難しく、決まった文言が1つでも抜けていると無効になってしまう可能性のある重要なものです。
弊所では、家族信託契約、各種賃貸借契約書、借地権設定契約書、土地転貸借契約書、通知書、回答書、異議申立書、売買契約書、リース契約書、委任契約書、コンサルタント契約書等、様々な契約書作成に対応可能です。
皆さまが今後、何かのシーンで重要な契約を行う際にお困りの場合には1度弊所へご相談下さい。その時々に応じたアドバイスを経験豊富な専門家がアドバイスさせていただきます。


投稿者 やなぎ司法書士事務所

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