新型コロナウイルス感染症により、政府では様々な対策が取られ、専門的な士業へ依頼する事も多いと思われます。
そんな時、この制度はどこに依頼すればいいのか?
そういった疑問を解決できるように今回は、弊所行政書士業で扱える業務と社労士で行える業務の違いについてご説明させていただきます。

1. 業務内容の違いについて
(1) 行政書士とは
(2) 社会保険労務士とは
2. 補助金と助成金申請での役割の違い
3. 助成金・補助金の種類 と 取り扱い士業 について
(1) 行政書士が扱う助成金・補助金(一覧)
(2) 社会保険労務士が扱う助成金・補助金(一覧)
4.まとめ

1、 業務内容の違いについて
(1)行政書士とは


行政書士は、「行政書士法」に基づく国家資格者です。
行政書士の業務範囲は行政書士法第1条の2及び第1条の3に規定されており、
官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類
の作成、手続代理、相談業務を行うことができる士業となっています。

業務内容
・官公署に提出する書類の作成、手続代理、相談業務
・権利義務に関する書類の作成、手続代理、相談業務
・事実証明に関する書類の作成、手続代理、相談業務  など

(2)社会保険労務士(省略し「社労士」と呼ばれることがあります)とは


社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。
社会保険労務士の業務範囲は、社会保険労務士法第2条及び2条の2に規定されており、主に企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」などに対応する士業となっています。
なお、弁護士の資格を取得すれば、弁護士は、社労士業務登録も可能です。

業務内容
・労働社会保険手続き業務
・労働管理の相談指導業務
・年金相談業務(各種事務手続きの代行)
・紛争解決手続き代理業務(裁判ではなく、あっせん手続き)
・上記業務に係る裁判所での補佐人業(訴訟代理人と共に出頭し、陳述することができます)など

2、 補助金と助成金申請での役割の違い

補助金・助成金のいずれも国や地方公共団体から給付される返済義務のないお金です。
そして、この補助金や助成金申請では、社会保険労務士のほかに行政書士も官公署に提出する書類の作成を行えます。

ただし、一般的に助成金と言われるものは、主として厚生労働省が管轄するものを指す場合が多く、社会保険労務士法に基づく書類の作成は、社会保険労務士の独占業務となり、行政書士の資格のみでは受任することができません。

とはいえ、社会保険労務士の業務は、社会保険労務士法に基づくものに限定され、労働・社会保険に関連する一切を含むものではありません。
そのため、厚生労働省所管の助成金であっても、社会保険労務士法に掲げる以外の法律に基づくものであれば(例えば、技術、設備、運転資金等)行政書士も申請することが可能です。
さらに、助成金については閣議決定等により行われるものもあり、根拠法令が規定されていないものも存在するため、その場合は行政書士でも申請を受任することが可能となります。
逆に、奨励金、補助金という名称であっても、社会保険労務士法に掲げる法律に基づくものに対する申請は、社会保険労務士のみ申請を受任することが可能となっています。

わかりやすく整理をしてみると、
社会保険労務士の独占業務
「雇用促進」、「キャリアアップ」、「職業訓練」、「高齢者」、「障害者」といったような『』に係る文言が含まれているときは、基本的には厚生労働省管轄の助成金であり、社会保険労務士の独占業務の場合が多いです。

社会保険労務士以外の士業(行政書士、税理士、中小企業診断士、弁理士 等)の業務
「販路開拓」、「新製品開発」、「運転資金」、「設備投資」、「特許・商標」、「知的財産」といったような『事業』に係る文言が含まれているときは、社会保険労務士以外の士業(行政書士、税理士、中小企業診断士、弁理士等)でも申請を受任することが多くあります。

弊所やなぎグループでは、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、土地家屋調査士等 様々な専門士業の在籍や提携がございますので、各種助成金・補助金等あらゆる制度・手続きにおいて、まとめてご相談をお受けすることが可能です。
(なお、各手続きは、各専門士業が資格の範囲内にて行います)
お困りの際は、総合的判断の上、ワンストップで解決のお手伝いをさせて頂きます。

3、助成金・補助金の種類 と 取り扱い士業 について

(1)行政書士が扱う助成金・補助金(一覧)
ものづくり・商業・サービス革新補助金
創業促進補助金
経営改善計画策定事業補助金
経営革新計画
創造技術研究開発費補助金
地域新生コンソーシアム研究開発事業補助金
NEDO各種補助金・助成金
PA各種補助金
産業技術実用化開発事業費助成金
環境活動補助金
低公害車普及助成金制度
クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金
高齢者住宅改修費用助成金
など

(2)社会保険労務士が扱う助成金・補助金(一覧)
雇用調整助成金
労働移動支援助成金(再就職支援奨励金)
労働移動支援助成金(受入れ人材育成支援奨励金)
特定求職者雇用開発助成金
高年齢者雇用安定助成金
障害者トライアル雇用奨励金
障害者初回雇用奨励金
中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金
精神障害者等雇用安定奨励金
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金
地域雇用開発助成金
トライアル雇用奨励金
中小企業労働環境向上助成金(団体助成コース)
中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)
キャリアアップ助成金
建設労働者確保育成助成金
障害者作業施設設置等助成金
障害者福祉施設設置等助成金
障害者介助等助成金
職場適応援助者助成金
重度障害者等通勤対策助成金
重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金
両立支援等助成金
キャリア形成促進助成金
障害者能力開発助成金
労働時間等設定改善推進助成金
職場意識改善助成金(職場環境改善コース)
職場意識改善助成金(所定労働時間短縮コース)
職場意識改善助成金(テレワークコース)
中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金
受動喫煙防止対策助成金
退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成金
業務改善助成金
など

助成金・補助金は種類や募集条件など様々です。
気になるものがあればお問い合わせください。

まとめ
もうすでに苦しい経営をされている方も多くいらっしゃると思います。
しかし、現在、各省庁に直接問い合わせをしても新型コロナウイルス感染症の影響を受けて開庁時間の短縮や、出勤者を限定する等の対応を行われており、一方で相談件数・申請件数が爆発的に増加しているため、なかなか手続きができない状況です。

元々、助成金や補助金については、要件を満たし、申請できる状態に整えるのもなかなか難しく、申請に二の足を踏んでこられた方も多いかと思いますが、
今は新型コロナウイルス対策のため、助成金・補助金等の要件が緩和されているものが多数あります。
特に、そもそも補助金については、要件に該当していても必ずしも金銭の交付が約束されているものではなく、抽選や早いもの勝ちのものもありますので、

該当される方は、この機会に、助成金・補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

弊所でもお問い合わせを受け付けております。
気になる点がおありの方は、お気軽にお問合せ下さい。

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